教えて先輩!林業のあれこれ

教えて先輩!林業のあれこれ

 

秩父市大野原にある県立秩父農工科学高等学校(通称・秩父農工)には、県内唯一、全国的にも珍しい「森林科学科」という学科があります。生徒の皆さんは、森林を中心にした広範囲の知識や技術を学び、測量、土木、環境、森林、林産加工、情報処理などの知識・技術を習得しながら、森林・林業に関するノウハウを身に付けていきます。

 

森林科学科の実習の様子(下刈り)

森林科学科の実習の様子(下刈り)

今回、そんな森林科学科の1、2年生の皆さんから、普段の授業内容のことや、森林・林業に関して率直に感じている疑問、そして将来の悩みなどを中心にお話をきくことができました。高校生たちの問いには、林業における就職希望者、雇用する側の事業者をサポートする埼玉県林業労働力確保支援センターの担当の方のほか、林業のプロである、森林組合の先輩たちからもアドバイスをいただきました。

 

 

 

司会者 今日は皆さんよろしくお願いします。では早速、最初は皆さんの普段の授業についての質問をします。森林科学科の授業の中で、一番興味がある、楽しいと思うことってどんなことですか?
    
生徒A 学校の演習林での実習です。間伐や枝打ちをした後、暗い林内に光が入って、隣の山まで見通すことができたときは、風が抜けて、爽やかな気分になります。みんなで力をあわせて、作業を分担して行わなければならないので、実習をやりとげたときの達成感もすごくあります。
   
森林科学科の実習の様子(枝打ち)

森林科学科の実習の様子(枝打ち)

生徒B 僕も、山の中での実習が楽しいです。ときにはつらく、厳しいときもありますが、それを乗り越えると開放感でいっぱいです。この学校でしか体験できないから、うれしいです。
   
生徒A それと、演習で育てた木を伐採して、学校で木を加工して色々な物をつくる授業も楽しいですね。
    
司会者 そういえば、森林科学科は、羊山公園の「芝桜の丘」にヒノキの間伐材で使ったベンチを毎年寄贈してますよね。他にも去年(平成25年)には福島県いわき市の仮設住宅のお年寄りのためにベンチを寄贈したと聞きました。教室での授業内容はどうですか?
    
生徒B 普段の座学の授業も好きです。自然の生き様や本質、木の性質や特徴、文化、林業の歴史とか、いままで知らなかったことを学べるから、面白いなぁって思います。
高校生が作ったヒノキ間伐材のベンチ

高校生が作ったヒノキ間伐材のベンチ

   
生徒A 授業の中で、森の再生可能エネルギーのことや、国産材や外材の現状とかも勉強しました。
    
司会者 結構専門的な授業もあるんですね! さて、ここからは、皆さんの質問に専門の方々が答えてくれます。まず、秩父広域森林組合で実際に山に入って働く先輩に聞いてみたいことはありますか?
    
先輩Atantosya 皆さんよろしくお願いします。どんな質問でもいいですよ。
    
生徒A 先輩たちは、なぜ林業の道を選んだんですか?
    
tantosya そうですね。私は中学生のとき、テレビで山林が台風の被害を受けて根こそぎ将棋倒しになった状況を見たことがきっかけです。山の木々を自分の力で守りたいと思って、将来林業に関わっていこうと思いましたね。
    
先輩A 高校のとき部活動で鍛えられた体力を活かしたかったからですね。それに製造業のような同じ作業の繰り返しって苦手でして、その点、仕事内容に変化がある林業は自分に向いてるなって思いました。
    
生徒B それと、普段の仕事の中でやりがいを感じること、楽しいことってなんですか?
    
tantosya 皆さんも実習で経験があるかもしれませんが、私は、間伐したり、枝打ちをして山がすっきりしたときですね。
夏期に行う下刈り作業の様子

夏期に行う下刈り作業の様子

   
先輩A 作業前と作業後の風景が一変してきれいになったときは、やっぱり気持ちがいいものです。
    
生徒A それじゃあ、逆に一番大変なことって何ですか?
    
tantosya 山の中での作業ですから、やっぱり夏の暑さや冬の寒さはこたえますね。それに、夏は蜂に刺される危険があるのも大変です。
    
先輩A 林内での作業は常に危険と隣り合わせなので、緊張感が抜けませんね。
    
生徒A 作業内容のことを聞いてもいいですか? 僕は実習で木を伐採するとき、「うけ口」(木が倒れる方向に入れる切れ込み)をうまくつくれないのですが、うまくつくれるコツって何でしょうか。枝打ちのコツも教えてもらいたいです。
うけ口

うけ口

    
tantosya うけ口の切り方は、最初のうちはチョークなどで書き込んでみて、だんだん感覚を養っていくといいと思いますよ。枝打ちは、ナタで行う場合は、両刃の刃を使うといいですよ。左右の枝をどっちでもスムーズに切れますからね。
    
先輩A うけ口を上手に作るにはとにかく数をこなすしかないですね。あとは、チェーンソー、のこぎりのどちらで伐るにしても、「目立て」(よく切れるように歯を鋭くすること)が上手にできていないと木も上手に切れません。枝打ちも同様ですね。きれいに枝を落とせるようにがんばってください。
    
生徒A 季節によって仕事の内容は変わるんですか? 一年を通しての仕事の流れを知りたいです。
    
tantosya 基本的には、春は、苗木を植えるために雑草、灌木、地面に落ちた枝葉を除ける「地拵え(じごしらえ)」と「植付け」、夏は、苗木の生育の邪魔になる雑草を払う「下刈り」、秋は、混んできた林の木を間引く「間伐」、冬は、節のない木にするための「枝打ち」、という感じですね。
森林科学科の実習の様子(登降機の練習)

登降機の練習

   
先輩A その中でも、間伐と地拵えは季節に関係なくやることも多いですね。それに、年間を通して林道の掃除などもやりますよ。
    
生徒B 山で作業をする時、自分で携帯する道具にはどんなものがあるんですか?
絶対に持って行くべきものなどもあったら教えてください。
    
tantosya 間伐作業では、ヘルメット、チェーンソー、プラグレンチ、ヤスリ、予備のチェーン、燃料とオイル、ナタとノコギリ、フェーリングレバー、安全クサビ、4mほどのロープを持っていきますね。この中で、絶対持って行くべきものは、ナタとノコギリ。それに、作業の合図を出したり、万が一のために危険を知らせるためのホイッスルは必須ですね。
    
先輩A 特に、チェンソーを使うときは防護衣、木に登るときには必ず安全帯を着けます。夏には、ハチ駆除用殺虫剤を持って行くことをおすすめしますね。
チェーンソー用の防護衣

チェーンソー用の防護衣

    
司会者 それでは最後に、高校生の皆さんへのアドバイスがあればお願いします。
    
tantosya 林業は体力と忍耐です。それに、自然や人に感謝する気持ちと、何事にも謙虚な態度でのぞむことが大切ですね。
    
先輩A ときには不満があったり、危険をともなう仕事ですけど、やりがいは他の職業に負けないと思います。林業職を考えている方も、今一度よく考えて、自分の進路を決めてください。
    
生徒B生徒A 先輩、ありがとうございました。これからもお仕事がんばってください!
    

 

次は埼玉県林業労働力確保支援センターの担当の方に答えていただきます。> 

 

1 2

  • ようこそ!森の活人へ
  • 森の活人たち
  • 森の達人たち
  • 秩父の木が家になるまで
  • 秩父木の駅プロジェクト
  • ちち森立木データマップ
  • 秩父のカエデ活用
  • 森林・林業データバンク
  • お知らせ
  • 伝言板
  • 木を使おう!私たちは「もくりかく」です
  • 埼玉森林管理事務所
  • 埼玉県
  • 秩父市
  • 横瀬町
  • 皆野町
  • 長瀞町
  • 小鹿野町
  • 秩父広域森林組合
  • 秩父地場産センター
  • 公益社団法人埼玉県農林公社森林局
  • 東京大学秩父演習林