「人とのつながりを力に 未来へつなげる水源の森」

 

未経験者が集まって、一からログハウス作り

 

ログハウス作りの様子

NPO森とはまた別団体なんですけれど、そちらも私が会長をお世話になっている「荒川源流ログ技士会」という会があります。もともと、平成19年に二瀬ダム管理事務所と地元NPOとの協働で、「荒川源流でログハウスを造ろうプロジェクト」という取り組みがあって、そのときに一般の参加者を募って一年がかりで製作しました。それが荒川源流ログ技士会の発端となって、今まで続いています。他にも作ったログ式休憩所やログベンチは公共施設、福祉施設等に寄贈しています。平成24年に大血川(秩父市大滝)の市道の脇につくったログハウスがあるんですけど、こちらは秩父市へ寄贈しました。

 

 

荒川源流ログ技士会にはどんな方がいらっしゃるんですか?

 

荒川源流ログ技士会の会員は、皆さんいろんな職業の方で、ログハウス作りに関してはほぼ素人の方が多く集まったんですよ。それで、秩父の森林組合にチェーンソーの使い方から何から全部を一から教わって、NPO森でもチェーンソーを揃えました。皆さんだんだんと技術が向上していきましたね。好きな人は毎週来ていましたよ。そのうち自分たちでログハウスを作れるようになりまして。もともと荒川流域の方がら参加を募ったんですが、秩父以外の方が多かったですね。

 

「私もやりたい!」っていう方は新規で参加できるんですか?

 

立派なログハウスが完成!

もちろんできますよ。オープンな会なので、ご希望の方はご連絡いただければと思います。今(平成25年12月時点)は、三峰口巣場線沿い(秩父市荒川白久)にログ式の東屋をつくっているんですが、普通の東屋じゃおもしろくないからって、六角形の東屋をつくってまして。設計が難しくてちょっと難航しているんですが(笑)。会の人も、時間がかかってもいいから、それをつくりたいっていうことでがんばっています。会員は20人で、懇親会などもやりながら楽しく活動していますよ。

 

 

大いに活用すべき資源である「水」。水力発電の勉強会を実施しています

 

東日本大震災以降、再生可能エネルギーへの注目がより高まってきています。秩父が水力発電の立地に恵まれているのは、豊富な水、そして落差が大きい地形、広大な面積です。秩父地域では、年間約8~9億トンの降水量があるといいます。大滝だけで約3億7千万トン。赤平川流域でも約2億6千万トン降るんです。だから、治水、利水、農業用水の他に、水力発電をもっと重視して、最大限活用すべきですね。施設についても、今のコンクリート技術を使えば200年は持つといわれています。意外と知られていないのですが、秩父地域には、水力発電施設が10か所あるんですよ。合計5万5千世帯分の発電能力があります。秩父市大滝の強石(こわいし)区には、大正10年から動いている発電所もあります。秩父市影森に事業所がある昭和電工さんも、事業所の80%の電気は久那の水力発電所からの電力でカバーしているようですね。こういったことも、もっと多くの人に知って欲しいですね。   主な取り組みとしては、こんなところですね。いろんな方々にご協力いただきながら、森林や水といった資源を守り、活用し、地域の活性化、さらには雇用の創出を図るための活動を行っています。

 

大切なのは、いろんな場に出て「人を知る」ということ。

それに、謙虚でいること。

 

NPO森には、どんな方々が参加されているんですか?

 

志を同じくする仲間が集う

大滝地域の人が多いですね。皆さん立場もさまざまです。森林経営者、元国家公務員、元地方公務員、元教員、弁護士などなど。年齢層は若干高めですかね。本当は世代の更新もしていかなくてはいけないと思うんですが、皆さん優秀な人ばかりですからまだまだ活躍してもらわなきゃ(笑) 私たちにとっては、若さより、知識・経験、そして各々の人脈が財産なんです。そういう人は得てして世話好きですから、色々な面で頼りになっていますね。

 

 

ボランティア活動をするにあたって大切なことってなんでしょうか?

 

まず大切なのは、いろんな場に出て「人を知る」ということ、そして、他人や他団体に対して思いやりをもって、謙虚な活動を心掛けることですね。多くの人と交流して、どういう人たちが、どういう動きをしているかを知るのってすごく大事なことなんですよ。私たちの活動には、他の団体・関係者との調整はつきものです。そんなときには、それぞれの人・団体の考え方・立場をわきまえて、話の仕方、伝え方も変化させることが必要です。そうじゃないと、伝えられたことも伝わらずに、ぶつかってしまいますから。全部が全部こちら側に有利になるということはないです。こちらの意向が5割、4割だったり、あるいは3割ぐらいになることもあります。相手も立てなくちゃいけないですからね。そんな中で、「ちょっと他の見方をしてみて、こちらの案はどうでしょう?」という風に、こちらの専門分野のことはちゃんと提案していくということですね。

 

交渉する相手の立場で物事を考えられるかどうか、ということですね。

 

世の中にはいろいろな仕組みがあるんですよ。一つの分野の中にはいろんな立場の人が関連していて、私たちみたいにボランティア団体だけじゃなく、それを「業」としている人たちもいる。だから、「あれはダメだ、これはダメだ」って一概に判断してはいけないですね。これには、1年でやるのか、5年なのか10年なのかという、「時間軸」のことも考えるべきですね。1年じゃなくて、10年で結論を出してみるとか。そうすれば、こちらと相手、双方が納得するところへ落ち着くという場合もありますから。

さまざまな立場の方と活動を共にして

さまざまな立場の方と活動を共にして

いろんな意見を持つ人たちの中で議論するというのは大切なことなんですよ。反対意見というのは貴重で、「それはどういった理由ですか?」と聞ければ、話に広がりが出ますから。お互いに影響し合える関係で、その分野で総合的な方向性をつくっていけるのが一番いいんじゃなんじゃないでしょうか。ギブアンドテイクです。これは地域間のことでも言えますね。

 

 

経験を積んだ人が教えてくれる、本当にためになる情報とは、「失敗談」です

 

それに、一つの結果を出すには、それ相応の時間が必要です。こと森林は、50年、100年という長い時間をかけて育てるものですから、そこにはやはり経験がものをいいます。経験がない人は、机上の知識と、今現時点で見える範囲のことだけで物事を判断してしまいがちです。

 

本当の知識というのは、実体験から生み出されるということでしょうか。

 

そうですね。こんなことも言えます。自分が体験することがかなわなくても、経験豊富な人とつながりがあると、そこから、経験にもとづいた情報を得ることができる。私はそんなときに、「本当にいい話を聞かせてもらってありがとうございました。今日はもうかりました。」っていうんです。よく考えてみてください。自分が時間と労力をかけてかせいだ知識を、一瞬で教えてくれるわけじゃないですか。情報はお金ですよ。だから、「もうかりました」です。そういう情報を教えてくれる人が周りにたくさんいれば、困ったときには、「私の経験だとこうですよ」ってすぐさまフォローを出してくれる。   大抵の人は成功談、良い話しかしてくれませんが、本当に信頼関係を築けた人は、「失敗談」をしてくれます。これが本当にためになる情報なんです。私たちだって過去数多く失敗をしてきたし、これからもします。「失敗は成功のもと」と言いますけれども、小さな失敗は成功につながりますが、大きな失敗は成功には至りません。立ち直れるか立ち直れないかの分岐点は、まわりに人脈があるかどうか、失敗を教えてくれる人がいるかどうかということなんですね。それは結局、自らその環境をつくることができるかどうかということになるわけです。

 

私自身としても、止まることなくこれからも走り続けたいですね

 

やっぱり、事業の成功には、自分たちがどんな考えをもって立ち振る舞うかがカギなんですね。

 

吉田進氏

吉田進さん

そうして人から話を聞くことではじめて知り得たもの、そこから生まれた自分なりの疑問から、新たな発想が沸き出し、進むべき道筋ができてくる。そしたら今度は、それを若い人から年寄りの人まで伝えていくことが大事です。いろんな人に問題提起をして、より多くの人に「考えてもらう」ということ。それこそが私たちの仕事なのかもしれないですね。   あとはもう、当人の「やる気」ですよ。自分で道を開くしかないわけですから。私も若いときに、いろんな周りの人にチャンスを与えてきてもらったから今があると思っています。だから、今の私からも積極的に情報提供をして、森林に関するいろんな活動をサポートしていければと思います。もちろん、私もやりたいことはたくさんありますので、私自身としても、止まることなくこれからも走り続けたいですね。

 

 


■関連情報

埼玉県NPO情報ステーション「NPOこばとんびん」「特定非営利活動法人 森」のページ

株式会社 荒川瀧石

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