「木と糸が紡ぎあげた 私のちちぶ暮らし」

“Think globally, act locally”(地球規模でものを考え、身近な地域で活動しよう) in “秩父”

 

足立さんが使っている古材と同じですよね。もっといい素材があるかもしれないけど、こういう良いところがあるんだよ、っていう気づきを伝えることが大切なんですね。

 

地球にやさしいものづくりを

「木の地産地消」とか、私のところではときどき「自家採取材木工」なんて言っちゃったりしますけど、簡単にいうと、お金や時間がないので、目の前にあるものを使うことっていうのが一番理に適っていると思ったんです。

 

単に効率がいい、節約になるっていうだけじゃなくて、地球に優しかったり、とても自然なことだなと思うんです。化石燃料の力を借りずにできますしね。プラスチック製のものは環境への影響もあるけど、木は腐って土に還りますから。

 

環境問題については、アメリカにいたころから関心があって、秩父で木工をやるにしても、そういった考えのものでやりたい想いはありました。”Think globally, act locally”(地球規模でものを考え、身近な地域で活動しよう)っていう言葉があって、まさにそれだなって。何に関しても、それをやりたいなって。in 秩父(笑)

 

ありがとうございます(笑)

 

昔は、この考えをもっと突き詰めたいとも思っていて、秩父に引っ越してきたときには、ストイックに自給自足の生活を送っていた時期もありました。でも、やっぱり車がないと生きていけないじゃないですか。結局、人間が作ったものに頼るしかない。それって何だろうって考えたんです。

 

仙人みたいな生き方は絶対無理で、現代に生きる人間として、なるべく環境に負荷のない暮らしをして、自然と時代とうまく付き合っていければいいなと思います。ポリシーに合わなくても、いただいたものはちゃんと使って。すべてを反対するのではなくて、あるものを受け入れることが大切だって考えるようになりましたね。

 

遊びの大切さと楽しみを大人にこそ伝えたいとの想いから、
「ちちぶ 遊びの長屋 やまもり」が始まりました

 

木育キャラバンやTUMICCO、それにORICCCO。秩父の木や、織物への想いがようやく形になって、たくさんの人に支えてもらいながら、地域に少しでも貢献できていることを実感できるようになりました。それで、今度はいったん個人に戻り、また何か始めてみようと、「ちちぶ 遊びの長屋 やまもり」を考えたんです。

 

「やまもり」は今までのコンセプトとは少し違うんですか?

 

親子で楽しめるワークショップ

主に地元材の木のおもちゃや道具など、「木」を中心にしたおもちゃの広場をやりたいなと思っていました。それに、ウッドスタートは、どちらかというと子どもに特化したものだったので、今度はお父さんお母さん自身が楽しめる、さらに大人だけで来ても楽しい、「遊び」をテーマにしたイベントもできればいいなと考えて始めました。

 

結局、親が楽しめないと、子どもにも楽しさは伝わらないっていうことと、純粋に大人が楽しめる場をつくりたいなぁって。ワークショップをやったり、パフォーマーさんに来てもらったり、ゲーム大会みたいなのをやったり、おいしいものを食べられたり。それに、ORICCO(おりっこ)の体験教室は毎回必ずやろうと考えています。

 

さらに、私は英会話教室もやっているんですが、いつかそれもくっついたらいいなと思っているんです。子どものうちから英語をやるのは何も英才教育ではなくて、英語=お勉強ではなくて、英語はコミュニケーションを楽しむツールで、おもちゃと同じなんだよ、っていうことを伝えたいなと。それが伝わる空間を作れたらいいなとも思っています。

 

方法や形が異なっても、共通して目指したいのは、大人も子どもも楽しめる空間を作ることなんですね。足立さんだからこそできることですね。

 

個人だからできること、さらに私だからできること、やりたいことをやり続けたいと思うようになりました。「やまもり」は、場所がその都度変わって、年に1~2回開催されるような大きなイベントを目指すのではなく、小さくても同じ場所でコンスタントにできる広場、しかも大人もちゃんと楽しめるものとして続けていきたいですね。もちろん、「木育キャラバン」は今後も協力していきたいと思っています。

 

季節に1回、年4回ぐらいのペースでやりたいなぁと思います。「やまもり」の入場は無料なので、どんな方でも気軽に遊びに来てほしいですね。

 

傷がついたり、壊れたり、古くなることが木の魅力だと思います

 

あらためて、木でつくられたものの魅力ってなんでしょうか。

 

傷がついたり、壊れたり、古くなることが魅力だと思います。使い込んで黒光りして、年季が入った良さが出る。例えば、「これはあの時にぶつけた傷だね」とか、「お母さんが子どものころに使っていたんだよ」みたいな話ができる。物語が宿るんですね。

 

世代を超えて長く付き合いたい

それに、金属やプラスチックなどの素材だと壊れたらなかなか直せないけど、木ならちょっとがんばれば直せるから、世代を超えて長く使えます。木のおもちゃって、ドイツや北欧が先進地ですが、そこでは、家具も親子代々使うのが普通です。おじいちゃんの代に作られたものをひ孫が使う、それってすごい素敵ですよね。

 

日本での暮らしだって、机、イス、おもちゃ、それに住宅など、普段全く木がないことってあり得なくて、気が付かないけど、私たちは意外と木に囲まれて暮らしている。だから、もし山や公園などに行ったときに、「この木が机になるんだよ」とか「TUMICCOはこの木でできているんだよ。」って親子で会話ができるのはとてもいいなあって。

 

素材が見えるってことでしょうか。

 

そういう意味では「木育」は「食育」と同じなのかなと思うことがあります。特に木のおもちゃは子どもが普段から手で触れるものですから、一番木の存在を感じ取りやすいのかもしれませんね。大人が話さなくても、子どもにとっての気づきになるんです。工場の機械が作ったものは、何でできているかが想像できないし、自然とつながらないなって思うんです。

 

自然豊かな秩父で暮せる、子育てができる、その楽しさ。
それに気づかないともったいない!

 

言葉では伝わらないものを感じ取ることって、子どもにとってすごい大切な経験だと思います。

 

すぐそばに自然がある暮らしを楽しむ

木は熱伝導率が低く、あたたかみがあって、人間の人肌に近いって聞いたことがあります。何かの本に、木のおもちゃで遊んでいる子どうしは、友達間のトラブルが少ないって書いてあって、そういうのって何だかわかるなぁ~って思いますね。

 

泥だらけになって遊んだり、野原を駆け回ったり、小さな頃から自然を肌で感じる経験をすることは、子どもの成長にとってすごく大事なことだなと思うんです。

 

秩父にはすぐ近くに本物の自然があるじゃないですか。森の木も、スギ、ヒノキだけじゃなくて、例えば日本にあるカエデのほとんどの種類が秩父に自生しているように、他の地域にはない多種多様な森が本当に身近にあって。そんな恵まれた地域で暮らせる、子育てができる楽しさに気づかないともったいないですよね。

 

木がある暮らしを楽しむには、専門家である必要はないと思うんです

 

最後に、足立さんの考える「木育」とはなんでしょうか?

 

お母さんやお父さんも、特別なことをする必要はないと思います。「木育」という言葉を意識しすぎる必要もないですし、シンプルに、木がある暮らしを楽しむことだと思うんですよ。

 

私は、たまたま運とタイミングに恵まれて自分のやりたいことができていますが、私も普通の人ですし、木がある暮らしを楽しむには、必ずしも専門家である必要はないと思うんですね。

 

「林業をやったり、木を扱う仕事をしたりしないと森や木と関われないわけじゃない。普段の暮らしの中で関われるよ」っていう提案をしたいですね。普通の人こそ、それを楽しむことができる、そのきっかけの一つがウッドスタートであればいいのかなと思います。

 

タンポポの綿毛が、地面にとまって、ちょっとだけ根付きました

 

「時間をかけて育てていきたい」と足立さん

木は、何十年、何百年という長い時間をかけて大きく育ちます。人だって同じですよね。小さいころからいつもそばに自然があれば、地元の森や、その土地自体への愛着が育まれていく。

 

そうして、自分の家を作るときになれば、「秩父の木を使いたい」と、自然に思うようになるんじゃないでしょうか。子どもの頃の経験や思い出って、大人になっても忘れないものですよね。

 

ふるさとや自然への想いは、そうやって長い時間の中で養われて、世代を超えて受け継がれることが大事なんだなって思います。「こうすれば良い」って答えがすぐ出るものじゃないですよね。まだ芽も花も咲いていない。たんぽぽの綿毛が地面にとまって、ちょっと根付いたような感じ。時間をかけて大事に育てていきたいです。

 

そうやって、生まれ育った土地や、そこにある自然への愛着へと育っていく。その種まきをするのが、秩父のウッドスタートなのかもしれませんね。

 


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